1977年から1987年にテレビ朝日系列で放送された刑事ドラマ『特捜最前線』

この刑事ドラマに出演された方々の現在が気になっている人が多いのではないでしょうか?

『特捜最前線』は警視庁刑事部特命捜査課、通称「特命課」に所属する刑事たちの難事件解決への捜査活動と生々しい人間ドラマが描かれています。

このドラマの特徴のひとつとしては、刑事が銃を撃つシーンが滅多になかったことです。

お気づきでしたか?

また、このドラマは27.4パーセントという最高視聴率を1984年1月に叩き出しています。

それに加えて9週間連続で視聴率が20パーセント超えを記録しました。

当時、大変人気があったドラマだったのです。

それではこのように熱狂的な人気だったドラマの出演者の役柄やプロフィール、エピソードと現在の状況についてご紹介します。

目次

神代警視正/二谷英明さん

部下には自身の命令に絶対服従させて従わない刑事には容赦なかった神代警視正。

たとえ相手が政治家であろうともまったく動じず、犯罪者を断じて許さない正義感の持ち主でした。

演じた二谷英明さんは1956年に日活に入社。

その後全盛期を迎える日活アクション映画に多数出演しています。

また、どんなジャンルの映画にも対応できるオールマイティーな俳優として高く評価されたのです。

1971年、日活を退社後は数多くの映画やドラマに出演されています。

1977年からの『特捜最前線』で主演を演じた神代警視正役は当たり役となりました。

妻は女優の白川由美さん(故人)。

娘は元女優で郷ひろみさんの元妻だった二谷友里恵さんです。

その人柄によって、たくさんの俳優仲間から慕われていたそうです。

肺炎のため2012年1月、81歳で永眠されました。

桜井刑事/藤岡弘さん

桜井刑事はドラマの初期では空中捜査の特命ヘリを担当した警部でした。

統率力のある指揮能力を持ち、さらに刑事としても優秀であったので、ドラマの進行とともに特命課のナンバー2としての地位を確立していったのです。

派手な背広、または皮ジャンを好んで着ていました。

船村刑事から一目置かれていたのは、一切言い訳をしないで自らの行動・発言に責任感を持っていたことです。

藤岡弘さんといえば、まっさきに思い浮かぶのが「仮面ライダー」の本郷猛。

主演を演じたことで人気俳優となります。

幅広く人気を獲得したのは、2002年からのテレビ朝日系列『スイスペ!』で不定期に放送された「藤岡弘、探検シリーズ」が放映されて以降は、愛称が「藤岡隊長」となっています。

柔道や空手、居合道などの有段者であり小型船舶、自家用飛行機の免許をもち、調理師、ハム無線、スキューバダイビング、射撃、乗馬など、サバイバルできる知識、技能、行動力を保たれています。

また、大のコーヒー好きで、「藤岡、珈琲」などを自身のホームページで販売をしています。

現在も「人生はサバイバル!」と精力的に活動をされています。

船村刑事/大滝秀治さん

大滝さんが演じた船村刑事は40年のキャリアを持ったベテランの警部補でした。

尊敬と親しみを込めて「おやじさん」と特命課のメンバーから呼ばれていたのです。

大滝さんは日本の映画史上に残る名優の一人。

俳優として60年以上の経歴を持ち、映画はもちろん、舞台、ドラマ、ナレーションコマーシャルなどに多数出演されました。

いぶし銀の演技は、あの高倉健さんも共演して涙したことがあるほどの素晴らしいものだったのです。

2012年に87歳で永眠されました。

上皇から、祭祀料を下賜されています。

高杉刑事/西田敏行さん

高杉刑事は、東北出身の巡査部長。

神代警視正の捜査の方針に対して陰口をよくたたいていました。

しかし、キャラクターは徐々にシフトしていき涙もろくて人情味のあふれる刑事になります。

ファッションはオシャレであり、ウエスタンブーツをスーツに合わせたりしていました。

では、西田敏行さんのプロフィールですが1967年にテレビ俳優としてデビューし、なかなか目が出ない時期を経験されます。

しかし、ドラマ「池中玄太80キロ」で人気を得ました。

主題歌「もしもピアノが弾けたなら」が大ヒット。

お茶の間の誰もが知っている存在となったのです。

1988年から22年続いた映画「釣りバカ日誌」に主演してその人気を不動のものにしました。

近年はNHK大河ドラマに多数出演して存在感のある重厚な演技を披露されています。

吉野刑事/誠直也さん

誠直也さんが演じた吉野刑事は特命課では桜井刑事と共に武闘派で、

とても正義感が強く犯罪者には容赦がありませんでした。

そんな吉野刑事も人として成長して次第に情のある刑事へと変化していったのです。

誠直也さんの芸名(本名 古川 誠剛)は「誠」を本名からとっているのです。

『ファイヤーマン』、『秘密戦隊ゴレンジャー』の主演を演じて少年たちの憧れとなりました。

「特捜最前線」では8年半レギュラーとして吉野刑事を熱演しています。

また、猛烈なスピードで走るトラックの運転席から横を並んで走っている貨物列車へ飛び乗るという

危険なアクションシーンをスタントマンではなく自分で演じたこともありました。

現在も、多くのテレビの時代劇やNHK大河ドラマに出演し活躍をされています。

津上刑事/荒木しげるさん

津上刑事はエリートな新米の刑事から事件解決に情熱的な刑事へと成長していきました。

どのような事件であっても捜査には燃えるような情熱で積極的に行動し、子供には特にやさしく接する刑事だったのです。

時には情熱的な性格故に感情的になってしまい神代警視正に食らいつく場面がよく見られました。

津上刑事を演じた荒木しげるさんは、フォークグループフォー・セインツのドラマーとして1968年にデビューしています。

1975年には『仮面ライダーストロンガー』に主役の「城茂」役で出演しました。

「特捜最前線」で共演している誠直也さんとは同じ年齢で、親しい間柄はよく知られています。

荒木しげるさんが選挙で立候補をしたときは誠さんが応援演説をされていました。

「ストロンガーをアカレンジャーが応援している」と当時ネットで大きな話題になっています。

2012年4月、「アスペルギルス症」に感染していたこともあり肺炎で残念ながら63歳で永眠されました。

紅林刑事/横光克彦さん

横光克彦さんが演じた紅林刑事は最も特命課の刑事らしいエリート刑事でした。

ドラマでは存在感があまり感じられませんが、全刑事の中では主役としてのエピソードは最も多かったのです。

「銭形平次」「木枯し紋次郎」 「大江戸捜査網」「水戸黄門」「太陽にほえろ!」「Gメン’75」

誰もが絶対一度は観たことがあるドラマをはじめ多数の時代劇、映画に出演されています。

横光克彦さんは1993年、衆議院議員総選挙で当選。

政治家としての活動に専念していました。

やがて、2014年から俳優に復帰。

2016年公開の映画「シン・ゴジラ」では環境大臣の役を見事に演じました。

橘刑事/本郷功次郎さん

橘刑事は警視庁内でトップクラスの射撃の名手。

特命課着任は神代警視正の計らいだったのです。

射撃の腕前を買われて、ゴルゴ13顔負けの遠距離での狙撃を担当することもありました。

演じた本郷功次郎さんは時代劇も現代劇でも演じることができる新進気鋭の若手スターでした。

1961年の映画「釈迦」は、日本で初めての70mm映画でその主演を努めています。

その後、大映映画『ガメラ』や『大魔神』に出演。

「特捜最前線」ではレギュラーメンバーとして9年間出演を果たして代表作となっています。

2013年2月、心不全により永眠。

享年74歳でした。

滝刑事/桜木健一さん

桜木健一さんが演じた滝刑事は、口達者で俊足の持ち主でした。

そのためかいち早く事件の手がかりを見つけるので地味ではありましたが、キーマンとなる役割だったのです。

桜木健一さんは1969年にテレビドラマ「柔道一直線」の主役に抜擢。

このドラマは当時視聴率が平均20%を維持する大人気を博していました。

ロス五輪で柔道金メダリストの斉藤仁さんは、「自分は『柔道一直線』を見て、柔道を始めたんです」と
対談で本人に伝えています。

それを聞いて桜木健一さんはとても喜んだそうです。

また、格闘家角田信朗さんは子供の頃にサインを桜木さんからもらって、それがキッカケで格闘家を目指したとのことです。

子供たちに夢を与えた桜木さん。

現在は脇役として出演作を盛り上げています。

叶刑事/夏夕介さん

「特捜最前線」では一匹狼な刑事だった叶刑事。

心を閉ざしていたが少しずつ変化していき、他のメンバー達とも親しくなっていったのです。

エリートと見られるのですが、幼い頃は大変な苦労を経験しています。

そのため、容疑者が食べ物や物を粗末に扱うと激しく怒った場面もありました。

そんな苦労人を演じた夏夕介さんは『純愛山河・愛と誠』のテレビドラマ出演により一気に人気を獲得しています。

いくつかのドラマに出演後、1980年「特捜最前線」に叶刑事役で7年間、レギュラー出演しました。

実は、調書の書き方や指紋採取の方法を本物の警察官から教わったことがあるそうです。

『特捜最前線』での共演がきっかけで女優の伊藤めぐみさんと結婚しています。

2010年1月、胃がんのため59歳で永眠されました。

時田刑事/渡辺篤史さん

渡辺篤史さんが演じた時田刑事はメガネがトレードマークでした。

家庭を大切にする一面を持っていて家族写真を常に携帯していたのです。

そして、社会的に弱い立場の人を狙う犯罪には強く憤りを感じて、激情を全面に出すことが多くありました。

それでは渡辺篤史さんのプロフィールです。

個性的で存在感のある脇役として「新網走番外地 」「ビルマの竪琴」などの映画に出演しています。

それから、数え切れないほどのドラマ出演、情報番組「情報ライブ ミヤネ屋 」

ドキュメンタリーでは「マグロに賭けた男たち」

コマーシャルの「小林製薬の糸ようじ」などのナレーションを担当されています。

渡辺さんが番組のリポーターとして有名な『渡辺篤史の建もの探訪』 は20年以上も続く人気長寿番組です。

犬養刑事/三ツ木清隆さん

頑固な性格で自己中心的な性格の犬養刑事。

捜査の際にも個人プレーで状況を悪くしたりしていた。

イライラするとタバコを吸うクセがありました。

三ツ木清隆さんは1967年、1,200人から選ばれた「光速エスパー」の主役でデビューを飾りました。

テレビ、舞台、映画やリポーターとして幅広く活動を続けられています。

2010年11月には、「季節の中で」を作曲家遠藤実さんの遺作シングルとして発売しました。

近年はYouTubeで「mickeyちゃんねる」を配信して活躍中です。

杉刑事/阿部祐二さん

阿部祐二さんが「特捜最前線」で杉刑事を演じていたことを知る人はいったいどれだけいることでしょう。

それほど特徴がなくて存在感もありませんでした。

しかし、テレビリポーターとしてほぼ毎日テレビ画面に登場する阿部さんはよくご存知のことでしょう。

リポーターに転身前には雑誌『POPEYE』でモデルをしていた経験もあります。

2017年度ミス・ユニバース・ジャパンに選ばれた阿部桃子さんは阿部さんの長女なのです。

現在はレギュラーリポーターとして「爽快情報バラエティー スッキリ!!」に出演されて活躍されています。

高杉婦警/関谷ますみさん

関谷ますみさんが演じた高杉婦警は西田敏行さんが演じる高杉刑事のいとこでした。

通称は「カンコ」。主にデスクワークを担当していますが潜入捜査をすることも度々ありました。

関谷ますみさんはドラマ『赤い靴』でデビュー。

1972年当時、彼女が高校2年生のことでした。

「特捜最前線」には6年間出演していました。

1986年、結婚をして引退されました。

現在は、ベルギーチョコレート専門店と旅行代理店の経営者となっています。

江崎婦警/愛田夏希さん

高杉婦警の退職後に特命課へ配属されました。

通称「アイちゃん」で、外出での捜査によく加わっていました。

愛田夏希さんは1982年にデビューされています。

ドラマ「おれたち夏希と甲子園」のヒロイン役でなんと丸刈り頭でした。

1985年から1987年、「特捜最前線」にレギュラー出演をしていました。

一方で、スポーツキャスターやリポーターとしても活動をされていました。

現在は、結婚後引退されているようです。

以上、「特捜最前線のキャストの現在 あの人の今!」でした。